パソコンと周辺機器、あるいはパソコンとパソコン間などで通信を行う技術は様々に存在していますが、今現在主流な通信技術はシリアル通信がほぼ占めています。
コンピュータの世界では、扱うデータは全て2進数に変換して処理しています。
通信を実現するためには、この2進数のデータをどうやって送信・受信(伝送)するかということになります。
その通信手段はシリアルとパラレルの2つに大別されます。
シリアル通信は1本の信号線を使用して1ビットずつ順番にデータを伝送する方法のことを言います。
それに対して、パラレル通信は複数の信号線を使用して複数ビットを一度に伝送する方法のことです。
一見すると一度に複数のビットを伝送するパラレル通信の方が高速に思えるかもしれません。
しかし現在では、シリアル通信の方が幅広く使われています。
その理由として、コストの問題と伝送路間のクロックのずれという問題などが挙げられます。
複数のパソコンを同一のネットワークに接続し、それぞれのパソコン間でデータを共有することは今では当たり前になっています。
その際、パソコン間では距離が離れているはずです。
パラレル通信を実現するためには何本ものケーブルが必要になり、距離が離れれば離れるほど、コストが膨らんでしまいます。
また、ケーブルも太くなってしまうので、きれいにまとめることもできません。
さらに、一度に複数ビットを伝送するということはクロックのずれ(タイミングのずれ)という問題を発生させてしまいます。
その点、シリアル通信であれば、ケーブルは一本で済むためコストも場所も取らず、クロックのずれも発生しません。
結果としてシリアル通信を選択したほうがメリットが大きいというわけです。